世界中には、麻の種類が60種類くらいあるそうです。麻科の植物のなかには、法律に抵触するものもあります。大麻(ヘンプ)も麻の仲間ですが日本ではその使用は認められていません。
日本では、麻のなかで繊維として家庭用品品質表示法で認められているのは2種類で、リネンとラミーです。亜麻(あま)は糸になった状態でリネンと呼びます。苧麻(ちょま)がラミーです。
リネンもラミーも麻という植物の茎の部分から繊維を取ります。茎は水や栄養分を運ぶための丈夫な繊維層があります。これを利用しています。綿も植物繊維ですが、麻のほうがしっかりと丈夫でハリのある繊維になります。
リネンは亜麻といいます。亜麻色の髪という表現を聞いたことがあると思いますが、亜麻色は、すこし黄色味を帯びた薄い茶色で、肌に近い色です。リネンは肌に近い色ですが、その加工というか洗いをかけて、漂白することで、白くすることもできます。あまり白く漂白をかけていくと、麻のハリ感も失われて柔らかな手触りになっていくのでせっかくの麻らしい風合いがなくなってしまいます。ですので、あまり加工しすぎない、麻らしい少し黄色味を帯びたような色で、しゃりっとした手触りを残した素材感にしているものが多いです。夏の衣類やハンカチなどに使われています。
ラミーはリネンよりもハリが強いのが特徴です。夏物の着物や浴衣、また蚊帳などに使われています。
これから季節は夏に向かっていきます。肌にくっつかずさらりと離れて涼しい麻の洋服で過ごしてみるのも良いと思います。